内閣改造 石原氏、高市氏ら留任決まる 稲田氏入閣、世耕氏は初 自民幹事長は二階氏

2016.8.2 06:00

 安倍晋三首相は3日に行う内閣改造で、石原伸晃経済再生担当相(59)の留任を決めた。岸田文雄外相(59)、高市早苗総務相(55)、塩崎恭久厚生労働相(65)も留任させる。世耕弘成官房副長官(53)、松本純政調会長代理(66)の初入閣も固まった。石破茂地方創生担当相(59)は閣外に出る意向を固めた。

 首相は、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)関連法案の審議を控え、石破氏に対し農林水産相などでの処遇を検討しているが、石破氏は応じない考えだ。石破氏は周囲に「他にやりたい人もいるだろう」と述べた。一方、首相は中谷元・防衛相(58)らを交代させ、自民党の稲田朋美政調会長(57)については防衛相か農水相、経済産業相での起用を検討している。

 内閣改造に合わせ行う自民党役員人事では、幹事長に二階俊博総務会長(77)の起用を決めた。首相は、頸髄損傷で入院中の谷垣禎一幹事長を続投させる意向だったが、復帰のめどが立たず谷垣氏が固辞した。首相は7月31日夜に電話で二階氏に就任を打診し、二階氏も受け入れた。

 後任の総務会長には、首相の出身派閥である細田派会長の細田博之幹事長代行(72)、政調会長には茂木敏充選対委員長(60)を充てる。茂木氏は重要閣僚での起用を検討していたが、調整の結果、政調会長に落ち着いた。

 細田、茂木両氏は過去にもそれぞれ総務会長、政調会長を務めた。高村正彦副総裁(74)の留任も固まり、首相は谷垣氏が抜けた後も安定した党運営を図るため、党幹部を重鎮や経験者で固めた。

 党東京都連会長の石原氏には、分裂選挙となった都知事選で党推薦候補が大敗したことへの責任論が出ている。ただ秋の臨時国会は経済対策を含む平成28年度第2次補正予算案やTPP関連法案の審議が焦点になるため首相は石原氏の続投が適切と判断した。萩生田光一官房副長官は続投させる。

 首相はすでに麻生太郎副総理兼財務相と菅義偉官房長官の留任を決めた。公明党の石井啓一国土交通相も続投する。

 首相は3日午前に新しい党役員人事を正式に決定し、同日午後に内閣改造を断行。同日中に皇居での認証式を経て第3次安倍再改造内閣が発足する運びだ。

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