プレミアム付き商品券に所得制限 政府、消費増税対策で検討

2018.10.27 20:39

 政府が平成31年10月の消費税率10%への引き上げに合わせた景気下支え策で、額面以上の金額で買い物できる「プレミアム付き商品券」の購入に年収制限を設ける方向で検討していることが27日、分かった。購入できる世帯年収を400万~500万円程度を上限とし、財政支出を抑えたい考え。住民税非課税世帯など低所得世帯ほど額面以上の上乗せ率が高くなるよう配慮する。

 プレミアム付き商品券は、自治体などが発行する商品券で、その購入額に一定のプレミアムを上乗せしたもの。例えば上乗せ率が3割の場合、1万円で購入した商品券で1万3千円分の買い物ができる。お得感を高めることで消費喚起の効果が期待される。上乗せ分の費用は国が31年度予算に盛り込むことを検討する。

 この商品券は、消費税率が26年に5%から8%に引き上げられた際にも景気対策として導入された。前回は、購入に年収制限は設定されず、上乗せ分の費用は国が26年度補正予算で約2500億円を計上。費用は交付金として自治体の人口や財政力指数などに応じ配分され、全自治体の97%が発行した。

 今回は低所得者層がより恩恵を受けられるよう、家族4人のモデル世帯で年収270万円未満の住民税非課税世帯が最も上乗せ率の高い商品券を購入できるようにする。上乗せ率は世帯年収が上がるにつれ段階的に引き下げ、年収400万~500万円程度の世帯までを上限にしたい考え。購入時の所得証明の仕方など詳細な制度設計は今後、詰める。

 また、マイナンバー制度の個人番号カードの活用も検討する。番号カードを持つ人がためられる「自治体ポイント」の形で商品券を発行できるような仕組みを想定。紙の商品券に比べ発行コストを削減でき、番号カード普及の後押しを狙う。

閉じる