国債格付け見通し下方修正 S&P、財政悪化懸念で

2020.6.9 22:40

 米格付け会社S&Pグローバル・レーティングは9日、上から5番目の「Aプラス」としている日本国債の格付け見通しを「ポジティブ」から「安定的」に下方修正した。日本は新型コロナウイルス感染症の経済対策で国債を大量に発行する方針で、財政悪化への懸念が強まっており、当面は格上げの可能性が低くなったと判断した。

 コロナへの対応が長期化し、財政状況が改善できなければ格下げされる可能性もあり、日本国債の信認低下を招く恐れがある。S&Pは「財政パフォーマンスの悪化で、国内総生産(GDP)に占める政府債務残高の比率が安定化するかどうか不透明感が強まっている」と説明している。

 S&Pは平成27年9月、日本国債の格付けを「AAマイナス」から「Aプラス」に引き下げ、その後は「Aプラス」を維持している。

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