2020.9.16 19:01
【北京=三塚聖平】中国に進出した日系企業で構成する中国日本商会は16日、中国政府に事業環境の改善を求める意見書を発表した。新型コロナウイルスの感染対策に関連し、中央と地方の政府がそれぞれ出す措置が相互に矛盾することを避けるといった行政運用の向上などを求めた。
発表内容によると、中国では感染対策が打ち出された後に、その措置がいつ終了するか明確でないことや、当局から企業への指示の通知がSNS(会員制交流サイト)を通じて行われるといったケースも見られたという。
一方、外資参入制限のさらなる開放や、グローバルスタンダードのさらなる採用についても要望。外資の参入を規制する分野を列挙した「ネガティブリスト」では対象外になっても、それとは別の規定により参入が難しいといった事例に対応するよう求めている。
中国日本商会の小川良典会長(丸紅執行役員中国総代表)は記者会見で、「米中貿易摩擦や新型コロナなどにより、日系企業のビジネスにおける不確実性が高まっている。中国でのビジネス環境の予見性の向上に資する制度の整備・運用が期待される」と述べた。
中国日本商会は2010年から、日系企業から寄せられる要望をまとめて意見書を作成している。