中国新車販売、日系大手は4~7倍の大幅増 2月、コロナ禍反動

2021.3.6 16:41

 【北京=三塚聖平】日系自動車大手4社の中国市場における2月の新車販売台数が6日までに出そろった。トヨタ自動車が前年同月比で5倍近くなるなど、新型コロナウイルスの感染拡大で急減した前年の反動により全社が4~7倍の大幅増となった。

 トヨタは、高級車ブランド「レクサス」などが牽引して4・9倍の11万7400台だった。11カ月連続で前年実績を上回った。前年の反動に加え、例年は客足が鈍る春節(旧正月)の大型連休の販売が好調に推移した。中国政府が感染対策で帰省を控えるよう呼びかけたことを受け、大半の販売店が営業を続けたため客足が伸びたという。

 ホンダは、7・2倍の8万1556台で、8カ月連続で前年実績を上回った。車種別では、スポーツ用多目的車(SUV)「CR-V」が1万台を突破。二つの現地合弁のうち湖北省武漢市に拠点を置く「東風本田汽車」が、2月として過去最高を記録するなど好調な勢いを維持している。

 日産自動車は5倍の7万5628台で、6カ月連続でプラスを維持。セダン「シルフィ」などの乗用車が伸びたほか、中国の景気回復を受けて需要が伸びている小型商用車も好調に推移している。

 マツダは4・3倍の1万557台で、5カ月ぶりのプラスを達成した。

 日系各社は昨年2月、コロナ禍の直撃を受けて7~8割減を記録。日本による尖閣諸島(沖縄県石垣市)の国有化を受けて反日デモが起きた2012年当時の下落率を超えていた。日産とホンダは、コロナ流行の震源地となった湖北省の工場が長期間停止するなど大きな影響を受けていた。

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