台湾、ICPO総会に今年も招待されず 30カ国の議員570人は参加支持

2021.11.25 07:55

 【台北=矢板明夫】トルコのイスタンブールで23日から開催されている国際刑事警察機構(ICPO)の総会に、台湾は今年も招待されなかった。総会に先立ち、米国務省で台湾政策を担当するウォーターズ国務次官補代理やオランダのクナーペン外相らが相次いで台湾のオブザーバー参加への支持を表明したが、反対する中国と、中国を支持する国々の数が多く、例年同様に阻止された形だ。

 台湾メディアによると、ICPO総会が開幕した23日、オランダ下院が台湾の参加を支持する決議案を可決した。台湾当局によれば、これまで日米やカナダ、イタリアなど30カ国の570人以上の国会議員が書簡や宣言などの形で台湾の参加支持を表明している。

 台湾の外交部(外務省に相当)の欧江安報道官は23日の記者会見で、国際社会の支持に感謝を表明した上で「国境をまたぐ犯罪の取り締まりに台湾の協力は不可欠だ」と強調し、同総会への台湾参加の必要性を改めて訴えた。

 台湾は1984年までICPOのメンバーだったが、中国の加盟に伴い脱退を余儀なくされた。台湾の蔡英文政権は近年、オブザーバーとして総会への出席を模索し、欧米や日本などに働きかけを続けている。

 この問題を長年取材した台湾大手紙の記者は「今年も失敗したが、例年と比べて台湾支持の輪は確実に広がっている。風向きは変わりつつある」と話している。

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