SankeiBiz for mobile

企業物価見通し、日銀目標に届かず 「1年後1.5%」 デフレ心理転換に壁

記事詳細

企業物価見通し、日銀目標に届かず 「1年後1.5%」 デフレ心理転換に壁

更新

 ただ、日銀は2%の物価上昇目標を達成するうえで、企業や人々の物価見通しである「予想物価上昇率」を重視している。物価上昇が続く見通しが強まれば、企業の投資や人々の消費が促され、景気を後押しすると想定される。日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁は先月23日の講演でも、「予想物価上昇率を2%に向けて収斂(しゅうれん)させ、ここで定着させることが必要」と強調していた。

 「企業はモノやサービスの値段を決める重要な主体」(SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミスト)であるだけに、企業の物価上昇見通しが2%に届かない現状は心もとない。

 一方、調査では企業の販売価格の見通しも示された。大企業の非製造業は3年後に現在より1.6%、5年後に1.8%上昇する見通しとなり、ともに3月調査から0.3%ポイント上方修正された。人手不足が目立つ非製造業で、賃金上昇などによるコスト増が先々の販売価格の引き上げにつながった可能性がある。

 日銀が昨年4月に導入した量的金融緩和策は、企業や人々に染みついた「デフレ心理」の転換を狙った。5月の生鮮食品を除く消費者物価指数は1.4%の上昇(増税の影響を除く)だった。デフレ脱却には一定のめどがついたが、「人々が2%の物価上昇率を当たり前のものとして経済活動を行う世界」(黒田総裁)である「インフレ心理」の実現にはまだ壁が残っている。

ランキング