日本郵政、親子3社同時上場へ 来年度半ば以降
更新日本郵政の西室泰三社長は26日、来年度半ば以降に持ち株会社の日本郵政と傘下のゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の金融2社の株式を同時上場する計画を発表した。段階的に50%程度まで売却を進め、その後はグループ経営や全国均一のユニバーサルサービスへの影響を考慮しつつ検討する。
小泉純一郎政権以来、10年を経てようやく動き出す郵政民営化は、前例のない親子3社同時上場を市場に問うことになり、西室社長は「大きな第一歩だ」と会見で述べた。
売却規模は3社とも全株の1割程度で、総額1兆3000億円規模になる見通し。全株式の35%以上を流通させるのが東京証券取引所の原則だが、市場が円滑に消化できるよう特例措置を求める。
親会社と子会社がともに上場している例は多いが、最初からの親子同時上場は初めて。西室社長は「子会社の価値を含む親会社が上場し、続いて子会社を上場させることで『資金の二重取り』と批判されるのを避けたい」とした上で、経営の自由度を早急に高めるためには「同時上場が最良だ」と強調した。
政府は日本郵政の全株式を保有しており、上場後の株式売却益を東日本大震災の復興財源に充てる。一方、日本郵政は、放出する金融2社の株式売却収入で、政府保有の自社株購入に充て、郵政株の価値向上や安定配当の維持につなげる。
売上高 15兆2401億円
経常利益 1兆1036億円
純資産 13兆3886億円
総引受郵便物数 223億通(日本郵便)
貯金残高 176兆6000億円(ゆうちょ銀行)
保有契約数 3486万件(かんぽ生命保険)
郵便局数 2万4511局(一時閉鎖中287局含む)
従業員数 21万7700人
