日本郵政、グループ成長戦略が急務 大型新規株式公開のリスク拭いきれず
更新しかし、金融2社が株式50%を売却して認可制が届出制になるとしても、「競争環境に配慮すべきだとの条件がなくなるわけじゃない」(金融庁幹部)。ゆうちょ銀が求めている住宅ローンや中小企業向け融資は「極めてハードルが高い」(同)のも事実だ。
金融2社の稼ぎに依存する構図のまま親子がそろって投資家の評価を得続けるのは困難とみられている。日本郵便の成長ビジョンをどう描くかが、将来にわたる日本郵政グループの投資価値を左右することになる。
西室社長は「(金融2社の株式を)50%まで売ってから一休みして、将来の成長を描くための有機的結合にする期間が必要」と述べ、完全売却までの猶予期間の必要性を説明する。しかし、金融2社が郵政グループを離れた後、経営立て直し策が不透明な日本郵便を抱え、収益確保と全国2万4000局の郵便局ネットワークを維持していけるかは未知数。市場は金融2社との「有機的結合」の早急な具体化を求めるはずだ。(芳賀由明)
