「二極化、多極化という動きがさらに強まっていく。富裕層や中間層での違いや、都市部や地方でも異なってくるが、個人をみても、日常品は低価格で、ハレの消費などでは高級品を購入するという一人の中でも消費が多極化する」

　－－どのように対応するのか

　「それには消費者をメッシュして、きめ細かく見ていくしかない。平均的なモデルというのはなく、地域地域や時間で常に選ばれる強いブランドを作っていくしかない」

　－－１５年の経営課題は

　「まず、自信を持って明るく各自が業務に取り組むことだ。戦略としてはグループ各社のシナジーを最大化させ、新しいビジネスモデルを作る時代に入る。カルピスの工場でアサヒ飲料の製品を生産することや、アジア、オセアニアの子会社の連携で効率をもっと上げる施策に取り組んでいく」

【プロフィル】泉谷直木

　いずみや・なおき　京産大法卒。１９７２年アサヒビール入社。広報部長、経営戦略部長、取締役、常務、専務を経て２０１０年アサヒビール社長。１１年持ち株会社制への移行に伴い、アサヒグループホールディングス社長。京都府出身。