全トヨタ労連、ベア6千円統一要求 賃金格差を改善…中小メーカーから悲鳴も
更新春闘の相場形成に影響力を持つ傘下のトヨタ自動車労働組合も今春闘で6000円を要求する方針。他の自動車大手の労組も追随する見通しとあって、裾野が広い自動車産業でベアの動きが広がることで安倍晋三政権が進める「経済の好循環」実現に弾みが付きそうだ。
6000円以上の統一要求は02年以降で最も高い水準だ。トヨタ自動車が昨春闘で妥結した2700円の倍以上に当たる。上部団体の自動車総連が掲げた目標を踏まえたものとはいえ、経営側も簡単に受け入れられる金額ではない。
北米市場などの好調や円安による海外販売の採算改善で、トヨタは15年3月期決算で最終利益が初めて2兆円台に達する見通し。ただ、グループ内には海外拠点を持たないメーカーもあり、輸入原材料の高騰で業績が落ち込んでいる。ある部品メーカーでは「2年連続のベアは厳しい」(幹部)と既に悲鳴が上がっている。
