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【2015春闘】トヨタ模範回答、先導役に 「横並び慣例」の電機は難航

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【2015春闘】トヨタ模範回答、先導役に 「横並び慣例」の電機は難航

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 富士通やむなく

 一方で電機の労使交渉は、入り口から難航した。賃上げを議論するうえで前提となる物価上昇率でも、労働側が消費税増税の影響を入れた約3%と主張したのに対し、経営側は「増税分は国民に還元される」として、増税影響を除く1%程度と訴えた。電機連合幹部は3月上旬、「経営側は思っていた以上にかたくなだ」と警戒感を強めた。

 交渉が本格化すると、労働側はベア3000円を最低ラインに定めた。経営側は前年(2000円)超えを容認したものの、3000円には難色を示した。しかし、日立製作所や三菱電機など、業績好調な企業が3000円を容認し始め、流れができた。大手幹部は「政労使会議の議論は尊重する」としており、やはり政府の意向が影響したようだ。

 業績回復途上の富士通は、2500円のベアと500円の手当を含めて3000円の賃金改善とする回答を模索。だが、電機連合は16日、ベア3000円を下回る回答にはストライキなどの闘争行動を取る方針を決定。孤立無援となった同社は、横並び回答で合意した。

 来年以降も高水準ベアは続くのか。電機連合の有野正治中央執行委員長は18日「高所恐怖症」という言葉で、経営側の警戒感を表現した。

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