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「人心の離反」これがシャープの“肩たたき” 社員との対話が途絶えた高橋社長

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「人心の離反」これがシャープの“肩たたき” 社員との対話が途絶えた高橋社長

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 不満と不安

 事前調査の段階では、希望退職に応募する意向を示した社員が少なく、実際の応募者は3千人に届くかも危ぶまれていた。45歳以上という条件の社員は再就職が難しいこともあって多くが二の足を踏んでいたとみられる。

 そうした情勢のもと、シャープは7月中旬、全事業所に異例の「綱紀粛正」を通知した。勤怠管理の厳密化を求める内容だが、一言でいえば、勤務時間外にダラダラと働いている社員の残業手当てを認めないということ。無駄な人件費を抑制するのが目的とみられるが、社員の意欲を削ぐ結果につながった。社内からは「希望退職の目標が未達に終ることに焦って場当たり的な対応に走ったのでは」と冷ややかな見方が広がった。

 結局、3年前の実績を上回ったとはいえ、目標は未達となった。関係者によると、シャープと主力取引銀行はさらなるコスト削減に踏み切る方向で調整しており、希望退職の追加募集は見送る見通しだ。今後の具体的なコスト削減は現場には知らされておらず、「給与・賞与の追加カットか」なとと社内は戦々恐々としている。

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  • シャープ本社近くの「ハローワーク阿倍野」では、退職予定者を対象にした相談を実施。大企業に多い転職経験の少ない人をサポートするねらいという=大阪市阿倍野区(織田淳嗣撮影)
  • シャープ本社近くの「ハローワーク阿倍野」では、退職予定者を対象にした相談を実施。大企業に多い転職経験の少ない人をサポートするねらいという=大阪市阿倍野区(織田淳嗣撮影)

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