名門商社苦戦、資源分野めぐり明暗 伊藤忠初の業界首位ほぼ確定
更新三菱商事は24日、資源・エネルギー価格下落の影響で2016年3月期の連結最終損益予想(国際会計基準)を下方修正し、従来予想の3000億円の黒字から一転して1500億円の最終赤字になる見通しだと発表した。赤字決算は1954年に発足して以来初めて。三井物産も23日に業績予想の下方修正を発表しており、名門2社がそろって赤字転落となる。資源安は長期化が見込まれ、事業戦略の見直しを迫られそうだ。
「減損処理」余儀なく
資源を大量に消費してきた中国の成長が鈍り、エネルギーや金属の国際価格が大幅に下落した影響を受けた。
三菱商事は、事業や資産の評価を見直す「減損処理」で約4300億円の損失を計上する。特にチリの銅やオーストラリアの液化天然ガス(LNG)事業で損失が膨らんだ。昨年11月に今期の最終利益見通しを期初の3600億円から3000億円に下方修正していたが、その後も想定以上の資源安が続き、大幅な減損処理を余儀なくされた。
