「0円」是正ソフトバンク反発、深まる対立 スマホ指針、総務省は再度行政指導も
更新標的はKDDI?
総務省は現在、携帯3社から報告を受け、スマホ1台ごとの成約手数料や販売奨励金の実態を精査している。総務省の担当者は「成約手数料自体は問題はないが、実質的に端末購入補助に回されている実体がないかを調査している」とした上で、3月に実施した覆面調査や窓口に提供された情報とも照らし合わせて、各社の販売状況を詳しく調べている。
ソフトバンクとともに行政指導を受けたドコモの関係者は「販売奨励金の報告の標的はKDDIではないか」と話す。総務省の行政指導を免れたKDDIも詳細に調査しようとしているとの見方だ。総務省幹部は「販売奨励金は抜け道的なやり方をしているところもあるようだ」と話すように、携帯各社が他社の動向に疑心暗鬼となっている。
「指針は関係事業者にも意見を聴き、作成したものなのでぜひとも尊重していただきたい」。高市総務相は8日の閣議後記者会見でこう述べてソフトバンクを牽制(けんせい)したが、もともと、指針は各社が納得した上で策定されたもの。総務省幹部は「販売現場では指針を守りにくいのはわかっているが、だからこそ指針にした。総務省は悪役になってもいい」と話すが、総務省と携帯各社が綱引きを続ける一方、利用者が納得できる販売正常化の先行きは不透明なままだ。(大坪玲央)
