川崎機械工業、地元・京都にショールーム 空の旅に極上の和テイスト提案
更新もともとは重厚長大系の企業を顧客としていた同社がアートの領域に進出したのは、海外出張の多い林社長の発案がきっかけだった。海外出張で航空機を利用した際、「ファーストクラスの利用客が以前よりも減っていることに気づいた」という林社長。「かつてファーストクラスといえば、ビジネスマンの憧れの対象だったが、ビジネスクラスのサービスが充実するなどして特別感がなくなったことが原因ではないか」と分析した。
金箔シートなど開発
林社長はこれまでにない新たな特別感を演出する方法を思案するうちに、幼い頃から慣れ親しんだ京都の伝統工芸を機内に取り入れることを思いついた。ここ数年、海外の高級ブランドなどが和のテイストを取り入れており、旅客機内のしつらえとしても喜ばれると考えたのだ。
そして、今年1月に第1弾として、金箔(きんぱく)加工や絹織物を施した航空機向けシート「KYOTO ファーストクラスシート」を開発した。絹織物には和紙を混合するなど、シートの耐久性を高める工夫を凝らしているのが特徴だ。3月には京都市内にショールーム「SKY ART(スカイ・アート)」を開設し、シートの展示などを通じて新しい空の旅を提案している。
