保険ショップ、異業種襲来で転機 少子高齢化・マイナス金利など経営環境厳しく
更新第一生命ホールディングス傘下の第一生命保険とネオファースト生命保険は今年2月、調剤薬局を運営する日本調剤と業務提携した。今後、薬局の店頭で両社の保険商品を販売する方針だ。16年9月にはヤマダ電機が住友生命保険の子会社と提携して店舗に保険ショップを併設。NTTドコモは首都圏の販売店の一部で、日本生命保険など9社の保険商品の取り扱いを始めた。結婚情報誌「ゼクシィ」関連の事業を手掛けるリクルートゼクシィなびも結婚式の会場選びなどに来たカップルなどを対象に保険の相談を行う「ゼクシィ保険ショップ」を展開している。
大手生保と異業種の提携については、「オフィスのセキュリティー強化や共働き世帯の増加で、営業職員の販路だけでは若年層になかなか接触できない大手生保などが今後増やす可能性がある」(保険アナリスト)との見方が根強い。
質向上で生き残り
規制強化に加え、大手生保と異業種の提携という“ダブルパンチ”にさらされる乗り合い代理店側も、サービスの質を向上させ、生き残りを図る動きもみせている。
保険クリニックを運営するアイリックコーポレーションでは、人工知能(AI)を活用した、生命保険証券を自動分析できるアプリの開発を始めた。AIが文字をスキャンし、これまで蓄積してきた顧客データなどから、保険の加入や見直しのプランを提示し、顧客の利便性を向上させられるといい、早期の実用化を目指している。勝本竜二社長(52)も「大手生保と流通業などが提携した異業種参入は自然の流れ。共存共栄を図る」として、システムや従業員の教育に注力する方針を強調する。
乗り合い代理店最大手のほけんの窓口グループは、地方銀行と提携した共同店舗の開発に力を入れる。

