【ビジネスのつぼ】キッコーマンの“鮮度保つしょうゆ”なぜヒットした? 続く進化、宇宙でも需要
更新実は、容器に弁を付けるアイデアはヤマサ醤油(しょうゆ)が先行していた。09年発売の「鮮度の一滴」シリーズだ。ただ、これは詰め替えを想定した柔らかいパウチ容器のため、量が減ると食卓などに立てづらいという弱点があり、キッコーマンも同様の商品を発売したが、二重構造ボトルに切り替えたという。
さらに今年2月には、ボトルを従来のポリエチレン製からリサイクル可能なペット製に進化させた新容器も登場。この改良で密封性を向上させたほか、重さが1本当たり5グラム軽くなり、輸送時の温室効果ガスの排出量削減にもつなげた。
「いつでも新鮮」シリーズは旗艦商品の「しぼりたて生しょうゆ」をはじめ、だし入りや、血圧改善に役立つとされる大豆ペプチドを強化した品など18種24品目を展開。パンチの利いた風味を求める声に応えた火入れしょうゆもある。
ただ、販売しているのは日本国内のみ。海外では一部の日系スーパーに並んでいるが、「特許の関係や、しょうゆに求められるレベルがそこまで成熟していない」(塚本さん)という事情があるという。
宇宙日本食に認証
同シリーズが海外展開するよりも、地球を飛び出す方が早いかもしれない。昨年9月、宇宙航空研究開発機構(JAXA)に「宇宙日本食」として認証されたのだ。
塚本さんによると、宇宙飛行士が各国の宇宙食を持ち寄る際「しょうゆはないのか?」という声があると知り、認証に挑んだという。宇宙食への採用には「無重力空間でも飛び散らない」という条件があるが、二重構造ボトルなら1滴ずつ使うことができ、容易にクリアできた。
昨年12月飛び立った金井宣茂宇宙飛行士には間に合わなかったが、来年末に3度目のフライトが予定されている野口聡一宇宙飛行士は持参する可能性がある。実現すれば、液体調味料としてはマヨネーズとケチャップに続き3例目の快挙となる。


