金融

銀行の収益モデルを真っ向から否定 セブンの40倍も儲かるコンビニATMの「謎」

 「セブン」をしのぐ40倍の超高収益の秘密

 注目したいのがセブン&アイの金融関連事業だ。その利益は501億円とスーパーストア事業よりも大きい。しかも、営業利益率は24.8%と、コンビニエンスストア事業をも抜いてダントツ1位だ。同事業には、セブン銀行・クレジットカード・電子マネーなどが含まれる。

 これに対して、セブン銀行はセブン&アイが独自にビジネスモデルを考え、メーカーと二人三脚で独自のATMを実現してきたものだ。事業を開始する前には、銀行業界からは「常識はずれ、素人の発想、うまくいくわけがない」とまったく相手にされなかったビジネスモデルである。

 セブン銀行はセブン&アイとは別に個別に決算情報を公開しており、それによると、2017年3月期の業績は、経営収益(売上高に相当)1,216億円、経常利益367億円、経常利益率30.2%となっている。

 利益の絶対額でいえば、セブン-イレブンにはるかに及ばない。しかし、単位床面積あたりで稼いでいる利益を比較するとどうであろう。ATM1台が占める面積は、わずか幅45センチメートル・奥行60センチメートルだ。セブン-イレブンの平均的な床面積はおおよそ100平方メートル程度であるから、ATM1台が占める床面積の400倍ほどだ。

 利益の絶対額の違いは10倍程度なので、単位床面積あたりで比較すると、セブン銀行の利益はセブン-イレブンの40倍と極めて高収益であることがわかる。なぜセブン銀行は圧倒的な超高収益なのか?

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