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鉄鋼メーカーとNEDO、試験高炉で製鉄新手法の検証終了

 ただ、高炉内部に水素を吹き込むと、鉄鉱石が粉状になって炉内に充満し、水素や熱風が流れにくくなる。また、反応が進むと吸熱反応によって炉内の温度が下がり、熱不足に陥ってしまう。ステップ2では操業条件を工夫してこうした弱点の克服に努めたほか、炉内に投入する鉄鉱石などの品質を高めるといった工夫も重ね、試験操業ながら1割削減を達成した。

 一方、CO2分離・回収でも目標達成のめどをつけた。低温での反応性に優れた吸収液を改良。製鉄所からの未利用廃熱を有効利用する技術などを組み合わせた結果、分離・回収設備の配置や高炉の操業条件が変わっても、1トン当たりの回収コストを2000円以下に抑えられる見通しがついたという。このほか、試験高炉からの高炉ガスを分離・回収設備に通気するなどして、より実際の運転環境に近い条件で処理速度などを検証。分離・回収設備と試験高炉の連携に問題がないことを確認した。

 容積大きい「商用」課題

 もっとも、課題は残る。商用高炉は容積が最大5000立方メートルと、試験高炉の数百倍もある。試験操業に成功したからといって、商用高炉でもうまくいくとは限らない。このため今後8年間の「フェーズ2」では引き続き炉内の通気性確保に努める考え。プロジェクトリーダーを務める新日鉄住金の荒木恭一製銑技術部長は「炉内の複雑な反応を予測する『3次元数学モデル』と呼ぶシミュレーション技術の精度も向上させたい」と話す。

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