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クラシエ、漢方薬原料で新工場 大阪に建設、再出発後の生産増強は初

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クラシエ、漢方薬原料で新工場 大阪に建設、再出発後の生産増強は初

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 クラシエホールディングス(HD、東京都港区)は16日、大阪府に漢方薬原料の新工場を建設することを明らかにした。倉庫や品質検査を行う建物を含む投資額は約30億円。旧カネボウの日用品と医薬品、食品の3事業を引き継ぎ、2007年にクラシエと社名を変えて再出発した同社が、生産能力の大幅増強に踏み切るのは初めて。

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 新工場は、子会社のクラシエ製薬が運営する高槻第2工場(大阪府高槻市)内に建設し、20年に生産を始める。甘草(かんぞう)などの生薬を粉状にした漢方エキス製剤を生産、高岡工場(富山県高岡市)に輸送して漢方薬に仕上げる。建設で、製剤の生産能力は従来の1.6倍に増える見通しだ。

 漢方薬は、医療機関での採用が広がっているほか、一般用も効果が浸透していることなどを背景に市場が拡大している。クラシエHDは「葛根湯」などの一般用と医療用の両方を扱っており、販売好調で生産能力が不足してきたため建設を決めた。

 旧カネボウは、「ペンタゴン経営」と呼ぶ独自の多角化を進めたものの経営が悪化、粉飾決算が明るみに出て実質破綻した。同社の繊維事業はセーレンなど、化粧品事業は花王へ譲渡。残る日用品など3事業は、投資ファンド傘下となった後でクラシエに社名を改めた。09年には毛染め最大手ホーユー(名古屋市東区)の子会社となっている。

 クラシエの17年12月期の売上高は957億円で、本業のもうけを示す営業利益は66億円。20年12月期には売上高を1000億円まで増やす目標を掲げる。再出発に伴い、これまでは知名度向上のため広告宣伝への投資を最優先してきたが、今後は生産面でも積極投資に転換。今後10年で、200億円程度を生産投資に振り向ける方針だ。

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