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NEDOなど、マグネシウム合金で車両試作 列車の軽量・高速化に期待

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NEDOなど、マグネシウム合金で車両試作 列車の軽量・高速化に期待

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 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、新構造材料技術研究組合(ISMA)などは、難燃性マグネシウム合金を使った高速鉄道用車両の一部を試作した。アルミニウムよりも比重が30%以上小さいマグネシウムを使い、車両の軽量化だけでなく、列車の高速化や省エネ化にもつなげる。

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 今回試作したのは、車両の一部を輪切りにした「部分構体」。断面は、幅約3.4メートル、高さ約2.9メートルで実際の新幹線車両と同じ大きさ、奥行きは約1メートル。重さは239キロで、アルミニウムを使ったときよりも約28%軽量化されたという。

 合金は、マグネシウムに1~2%の割合でカルシウムを混ぜた独自開発の素材。従来合金に比べて難燃性で、強度を高めた。車両の試作はJR東日本系鉄道車両メーカーの総合車両製作所、川崎重工業が担当した。

 マグネシウム合金とそれを使った鉄道車両の開発は2014年度に始まった。今年度からは、新幹線の1両分に当たる全長25メートルの構体を試作する。さらに、トンネルが連続した区間の走行などを想定して、車体にかかる圧力を変動させるため、気密加重をかける疲労試験なども行う。

 ISMAの堀谷貴雄プロジェクトマネージャーは「量産化の技術開発も必要になるので、実用化はこのプロジェクトが終わってから4、5年ほど先になる。ここでの知見を、電気自動車(EV)などにも生かしたい」と語った。

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