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大同生命、米ファンド投資 中小支援へ11億円 最新技術で差別化

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大同生命、米ファンド投資 中小支援へ11億円 最新技術で差別化

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 T&Dホールディングス(HD)傘下の大同生命保険が米国のベンチャー企業ファンドへの約11億円の投資を決めたことが21日、分かった。大同生命が強みを持つ法人や個人事業主を対象にした「経営者向け保険」は競争が激化しており、米企業と連携して中小企業支援の新サービスを創出し、他社との差別化や顧客の囲い込みを狙う。

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 ファンドを運営するのは米シリコンバレーのベンチャー企業に投資する「ソーゾー・ベンチャーズ」。同社は投資者とベンチャー企業との仲介も行っており、大同生命は運用益より先進技術を持つ米企業と接点を持つことに主眼を置く。

 大同生命は顧客囲い込みに向け、M&A(企業の合併・買収)支援などを充実させてきた。今後は事業承継や販路拡大など中小企業の課題に、シリコンバレー仕込みの最新技術を活用して解決策を提示したい考え。

 経営者向け保険は払い込んだ保険料の一部または全てを損金扱いにできる節税効果があり、保険解約時の返戻金を引退時の退職金に充てたり、事業で損失が出た際に補填(ほてん)できたりする。好不況に左右されやすいが、最近の好景気はこの分野の追い風となっている。

 日銀のマイナス金利政策の影響で個人年金保険など貯蓄性商品の販売が難しくなっていることもあり、日本生命保険が昨年、経営者向け保険の新商品を投入するなど競争は厳しい。

 ただ、経営者の高齢化で中小企業は今後減少する見込み。人口減少で国内市場が縮小する中、将来的には中小企業の経営支援を保険と切り離した単独のビジネスとして成立させたいという思惑も透けてみえる。今回の投資は単なる顧客の囲い込みに留まらず、経営多角化に向けた布石ともなりそうだ。

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