【トップは語る】三洋化成工業 10年先の収益見据え研究開発に投資
更新--紙おむつの原料となる高吸水性樹脂(SAP)など主力製品の受注状況は
「SAPは市場全体が年率で5%程度伸びるなか、当社の販売量は前年比微減で推移している。ただ、18年3月期に赤字だったSAP事業は売上高を追い求めず、値上げやコスト削減など利益率改善に努め、今年4~6月期は黒字に転換した。自動車の省燃費化に貢献する潤滑油添加剤は堅調で、日系企業だけでなく今後は外資系にも拡販する。コピー機などで使用される重合トナー中間体や、プラスチック用永久帯電防止剤などの販売も総じて順調だ」
--将来を見据えた投資に積極的だ
「リチウムイオン電池は、当社の強みである界面活性制御技術が評価され、安全かつ大容量の定置式蓄電池を開発中だ。電池事業は多彩な用途に転用できるため、大きな可能性を秘めている。化粧品事業はリーダーをはじめ女性社員を中心としたメンバーで構成する社長直轄のプロジェクトとして立ち上げた。これまでにないアプローチで化粧品原料の開発につなげる。医療分野では、心臓手術用止血材の販売認可を国内だけでなく海外でも取得し、欧州やアジア向けに拡販する。5~10年先の収益貢献を見据えさまざまな研究開発を進めている」
--働き方改革にも取り組んでいる
「10年後の企業像に『ユニークでグローバルな高収益企業』を掲げた。社員のモチベーションや生産性の向上を目的に、1時間単位で取得できる有給休暇制度を導入するなど働きやすい環境整備を進めている。今月20日からは全役職員の服装を自由にした。社内の意識改革を進め、多様性のある組織に生まれ変わるためにも、目に見えるものから変えることも重要と感じた。TPOにあわせ、私も率先してカジュアルな服装での勤務を始めた」
◇
【プロフィル】安藤孝夫
あんどう・たかお 大阪大院工学研究科修了。1977年三洋化成工業入社。98年取締役、取締役専務執行役員を経て2011年から現職。大阪市出身。
