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【視点】企業の新卒採用 学生の履修履歴で資質を見抜け

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【視点】企業の新卒採用 学生の履修履歴で資質を見抜け

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 経団連の中西宏明会長が「採用選考活動の日程を采配することに違和感がある」と発言したことで、就職活動のあり方に対し学生や大学に不安が広がり、政府は混乱回避のため調整に乗り出した。しかし、問題なのは就活の日程ではない。それにより学業がおろそかになることのほうが重大だ。中西会長はこうも言っている。「欧米のみならず、中国、シンガポールなどのアジアトップレベルの大学の学生の勉強量は日本の大学生の比ではない」

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 確かに入学することに比べ、卒業はさほど難しくない。このため学業よりサークル活動やアルバイトに精を出す学生は多い。企業側もこの実態をそのまま受け止め、大学3年生のときからインターンシップ(就業体験)を使って実質的な採用選考を始めている。選考の面接ではもっぱら学業外の考えや行動・エピソードを聞く。学業に割く時間が少ないという前提に立って担当者は面接に臨んでいるわけだ。

                   

 では、本当に日本の学生は勉強をしていないのだろうか。ある調査では、8割以上の授業に出席している学生が78%に達した。体育会系学生も授業の半分程度に出席しているという。最近の大学では授業に出席しないと単位が取れない状況になっているようだ。

 かつての授業にそれほど出なくても卒業できた時代を過ごした面接者が「授業に出ているのは勉強好き」「自分の意志で行う学業外での行動こそ学生の資質が分かる」と考えるのは時代錯誤といえる。大学環境の変化を知らずに面接を行っていては、ほしい人材を採用できるわけがない。今や出席せざるを得ない授業なので、学生一人一人の価値観や考え方、行動は、力を入れたり、興味を持ったりした授業や出席時の行動などから分かるといえる。

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