災害対策後押しする団体保険注目 損保ジャパン、自治体の避難所開設費など補償
更新それだけに自治体の関心は高い。「最近では異常気象により台風や豪雨と縁のなかった地域でも被害にあっている」(全国町村会の野口健保険部参事)ため、加入を呼びかけたところ初年度は約900町村のうち約100町村が加入。支払いは115件、8200万円に達した。「加入していてよかった」と胸をなでおろした自治体は少なくなく、18年度は約100町村が新たに加入した。
補償内容を改めたことも奏功した。18年度から「消防団員の出勤手当」を新たに補償、全国町村会では19年度から「地震・噴火・津波に起因する避難勧告」を補償にオプションで追加できるようにする。東北地方の自治体から「地震、津波が対象に入っていないなら話にならない」と指摘されたからだ。野口氏は「これで全ての自然災害に対応でき、安心を与えられる。自治体のニーズを踏まえ柔軟に制度変更していく」と地域に寄り添う。
全国5割加入目指す
加入自治体は1年で約240と2倍に増えた。18年度は西日本豪雨や相次ぐ台風上陸などで引き合いが増えており、19年度も倍増を見込む。ただ、それでも加入率は全国自治体の3割未満だ。横井氏は「まずは5割まで増やしたい。自治体は横の連携が強いので口コミや誘い合いを期待している」という。
おりしも、各自治体では19年度の予算編成に向けた話し合いが本格的に始まる。「『台風が来たこともなく、避難勧告は何年も出していないので不要』という自治体もあるが、共助の精神で『とにかく入って』」と野口氏。避難勧告を発令したら費用を出す保険の意義を知ってほしいと訴える。
横井氏も「災害を減らすのは無理。防ぐのも難しい。しかし災害が発生したとき、住民を守るには迅速かつ適切に発令する必要がある。保険はその一助になる」と加入を呼びかける。(松岡健夫)
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■全国町村会の「災害対策費用保険制度」の補償対象
(1)避難所の設置(ブルーシート、毛布、紙おむつ、乾電池など生活用消耗品)
(2)炊き出しなどによる食品の給与(おにぎり、弁当、パンなど)
(3)飲料水などの供給(ミネラルウオーター、ペットボトル入りお茶・ジュースなど)
(4)被服、寝具、その他生活必需品の給与・貸与(被服、下着、寝具、身の回り品、炊事用具など)
(5)医療・助産(薬剤・治療材料の支給、処置、手術、病院や診療所への収容、看護など)
(6)学用品の給与(教科書、文房具、通学用品)
(7)救助のための輸送費((1)~(6)の救助に要した費用)
(8)応急救助費(時間外勤務手当、旅費、ガソリン代、消防団員の出勤手当など)
*カッコ内は支払い対象の具体例
