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【スポーツbiz】放送権の収入狙う 五輪メダル獲得で注目増、卓球・Tリーグの可能性

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 いつごろ、卓球が華やかでおもしろいと感じたろう。

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 大学生のとき、体育実技で卓球を履修した。野村堯という日本代表監督も務めた先生に習ったのだが、つい休みがちとなり、世界選手権の最終選考リーグを観戦したリポート提出で単位をもらった。

 会場は国立代々木競技場。人気はあったのだろうか。会場は空席が目立っていたと思う。ユニホームも紺やグレーなどくすんだ色ばかり。真剣に打ち合う選手はいても歓声とは無縁の世界だった。

 ところがどうだ。10月24、25の両日、東京・両国国技館で行われたTリーグのお披露目、新リーグ結成の開幕戦ときたら、光と音があふれ、映像を駆使した演出で観衆を驚かせた。

 そして10月24日の男子の試合には水谷隼や張本智和(いずれも木下マイスター東京)、25日の女子では石川佳純(木下アビエル神奈川)や平野美宇(日本生命レッドエルフ)らトップ選手が登場、熱のこもった試合で会場を盛り上げた。歓声が飛んだのはいうまでもない。

 ちなみに両日の観戦チケットの最高額は何と10万円。以下6万円、4万円と続いて、一番安い席でも3000円もする。驚くことに、それでも24日は5624人、25日は4572人の観衆が詰めかけた。

 明らかに、卓球は人気スポーツになっている。

メダル獲得で注目増

 卓球が注目され始めたのは、福原愛の活躍以降である。女子はすぐに石川佳純や平野美宇、伊藤美誠らが台頭、競い合いが実力を伸ばした。男子も水谷隼たちががんばっている間に、張本智和が駆け上がってきた。

 2012年ロンドン、16年のリオデジャネイロ両オリンピックでメダルを獲得、注目度の増加が実力と人気を高めていく。スピードと活気にあふれた試合に、色とりどりのユニホームの明るさも手伝い、「暗い」「地味」イメージは消えた。

 私のような感覚の人が少なくないのだろう。いま卓球人口は確実に増え、会社帰りに軽く練習をという人も多いと聞く。ジュニア層を中心に選手強化、環境整備に地道に力をいれてきた日本卓球協会の成果である。

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