水素ステーションじわり普及 国内約100カ所、セルフ式も解禁
五輪時にバス100台
水素ステーションの整備は着々と進んでおり、政府が水素基本戦略で掲げた「20年度までに160カ所」は決して遠くないように映る。これに対しFCVの普及は約2800台にとどまり、「20年までに4万台程度」との目標には相当の距離がある。
水素ステーションの整備とFCVの普及が両輪となるのが理想だが、今のところはFCVの普及の遅れなどから水素ステーションが大幅に先行している。
あるエネルギー企業の幹部は「FCVがなかなか増えていない中、(自社の)水素ステーション事業はペイしていない」と語り、現状では損益が赤字であることを認める。その上で、採算性については「FCVの普及ペース次第だ」と指摘する。
水素ステーションは規模などにもよるが、1カ所の整備費用が「5億円程度かかる」(関係者)とされる。調査会社の富士経済は今年3月、水素ステーションについて「FCVの普及に先行して整備が行われているが、整備・運営にかかるコスト回収が課題」と指摘。16~17年度の新設件数は15年度の半数にも及ばず、鈍化傾向にある。
こうした中、今年3月には国内の自動車メーカーやエネルギー企業など11社が、新会社「日本水素ステーションネットワーク合同会社」を設立。“オールジャパン”態勢で水素ステーションの本格整備や効率運営に取り組む。事業期間を10年間と想定し、第1期の4年間で80カ所を整備する-などとしている。
開催まで2年を切った20年の東京五輪にも、起爆剤としての期待が寄せられる。東京都環境局は、燃料電池バスを20年までに都内で100台以上普及させたいとしている。前出のエネルギー企業の幹部は「東京五輪では水素が一つのテーマになる。(水素ステーション事業の後押しとなる)足掛かりが欲しい」と話す。(森田晶宏)