【木下隆之のクルマ三昧】レクサス生産工場の女性ガイドに思わずうなったワケ
更新「なぜ、大変だとわかるのですか?」
そしてそのすべてを案内する女性の知識と造詣が驚くほど深いことに驚かされた。僕らの矢継ぎ早の質問に対して、間を置くことになく適確に答えてくれたのである。
たとえば、塗装工程でのこと。
「一台塗装するのに、何本の塗料が必要ですか」
そういった質問はあたりまえのように回答してくれる。塗料の分子的な構造までも説明してくれたのだ。
鉄板と鉄板の接着工程でも言葉が淀むことはなかった。
「作業は力が必要なのです。簡単に見えて、熟練工でなければこなせない作業なのです」とのこと。
「なぜ、大変だとわかるのですか?」
「実際に体験したからです」
そう、案内役の女性も自ら、工員と同等に作業を体験し、その実体験を言葉にして伝えるのである。
レクサスが高級プレミアムブランドとして認められるために、高品質なクルマを開発しようと努力するのは当然のこと。だがその一方で、レクサスのある豊かな生活を創造するのもプレミアムの基本である。そして日本車であることで、もてなしの心も欠かせない。もてなしの心は、小さな島国の日本の、東の外れの九州の、その中の小さな宮田工場の、そして案内係の女性の物腰にも徹底していたのである。
なんだかいい気持ちになった1日でした。
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【木下隆之のクルマ三昧】はレーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、最新のクルマ情報からモータースポーツまでクルマと社会を幅広く考察し、紹介する連載コラムです。更新は原則隔週金曜日。アーカイブはこちらから。
木下さんがSankeiBizで好評連載中のコラム「木下隆之の試乗スケッチ」はこちらから。
【プロフィル】木下隆之(きのした・たかゆき)
レーシングドライバー 自動車評論家
ブランドアドバイザー ドライビングディレクター
東京都出身。明治学院大学卒業。出版社編集部勤務を経て独立。国内外のトップカテゴリーで優勝多数。スーパー耐久最多勝記録保持。ニュルブルクリンク24時間(ドイツ)日本人最高位、最多出場記録更新中。雑誌/Webで連載コラム多数。CM等のドライビングディレクター、イベントを企画するなどクリエイティブ業務多数。クルマ好きの青春を綴った「ジェイズな奴ら」(ネコ・バプリッシング)、経済書「豊田章男の人間力」(学研パブリッシング)等を上梓。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。



