Sakeから観光立国

「1204和食セッション」で年中行事・五節供を紹介

 和食文化国民会議の「全国和食連絡会議」主催による「1204和食セッション」が4日、都内で開催され、全国から180人が参加した。和食文化国民会議は、2013年に「和食」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産登録の際に推進役となった任意団体が、15年2月に和食文化の保護・継承に、より公的な責任を負うべく一般社団法人としてスタート。連絡会議は情報発信を担っている。(酒サムライコーディネーター・平出淑恵)

 同連絡会議の年一度のイベントが、和食がユネスコに登録された12月4日にちなんで行われる「1204和食セッション~次代に繋ぐ和食の集い~」。会員と非会員を結ぶ大きな交流会という位置づけで、今年のテーマは和食文化国民会議が4月から取り組んでいる「五節供」だ。五節供は、江戸幕府が元日とともに祝日に制定したことで広く一般に普及した年中行事。「七草(人日)の節供(1月7日)」「桃(上巳)の節供(3月3日)」「菖蒲(端午)の節供(5月5日)」「七夕の節供(7月7日)」「菊(重陽)の節供(9月9日)」を指す。

 先人の願い・祈りを込めた五節供の食に取り組むことで季節ごとに地域に根付いた和食文化の保護・継承につなげるのがプロジェクトの目的だ。

 基調講演は、旅の文化研究所の神崎宣武所長、各地の節供料理について、食文化研究家で調査・研究部会幹事の清絢(きよし・あや)氏が講演。その後3会場に分かれてワークセッションが行われた。

 節供の日本酒と料理として、「天狗舞」醸造元の車多酒造(石川県白山市)8代目の車多一成社長が車多家の正月風景を披露し、自慢の日本酒がひなずしとともに供された。

 伝統野菜の節供料理として、薬膳インストラクターの百田美知氏から、土佐伝統野菜を使った料理の試食と高知の節供、牧野野菜の話があった。そして、節供の和菓子は、全国和菓子協会の藪光生専務理事から、日本茶とともに紹介された。各会場とも熱心な質疑応答が続き、4回目の今回も活気あるイベントとなった。

【プロフィル】平出淑恵

 ひらいで・としえ 1962年東京生まれ。83年日本航空入社、国際線担当客室乗務員を経て、2011年コーポ・サチを設立。世界最大規模のワイン審査会、インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)のアンバサダー。日本酒蔵ツーリズム推進協議会運営委員、昇龍道大使(中部9県のインバウンド大使)、東北・夢の桜街道推進協議会アドバイザーを務める。

Recommend

Biz Plus

Ranking

アクセスランキング