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ゴーン容疑者再逮捕 「いつか金でつまずくと…」独裁許した幹部ら反省も

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ゴーン容疑者再逮捕 「いつか金でつまずくと…」独裁許した幹部ら反省も

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 高額報酬の一部を有価証券報告書に記載しなかったとして、金融商品取引法違反の疑いで再逮捕された日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者は、かつて日産の再建に貢献し「カリスマ経営者」と呼ばれた。年末までの勾留が見込まれる中、部下として仕えた元役員や現職幹部はどんな思いを抱くのか。「いつかお金の問題でつまずくと思っていた」「ああいうトップを生んだ責任はある」。突き放す声の一方で、反省の言葉も聞かれた。

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 ゴーン容疑者は1999年、フランス大手ルノーから深刻な経営危機に直面していた日産に送り込まれた。すぐさま経営再建策「日産リバイバルプラン」を断行、日産の業績は瞬く間にV字回復を果たした。元常務の男性は「経営者として非常に優秀だった」と高い資質を認める。

 中でも社内の組織改革は高い評価を得た。「縦割りの企業文化を改め、事業を部署横断的に進めたのは画期的だった。多くの企業が日産の改革手法を取り入れた」と元常務。別のOBは「ゴーン以下、みんなリバイバル(再生)に必死だった」と振り返る。

 ただ、人員削減や工場閉鎖といった大胆なリストラには社員らの不満が高まった。営業担当の役員だった男性は、悩んだ末に決断したそれまでのトップとは対照的に「冷徹に社員の首を切った」と批判する。一方で自分の報酬への執着は強かったと話す。

 ゴーン容疑者は閉鎖対象の工場に足を運びたがらなかったとも明かし「自分への批判を極度に恐れるタイプ。矢面に立つのが嫌だったのだろう」と指摘した。

 ゴーン容疑者をめぐっては、家族旅行や私的な飲食の費用を会社側に負担させるなどの「公私混同」疑惑も浮上した。日産社内で追及しないまま検察に情報を持ち込んだ点には批判も出ている。

 ある現職幹部は「金も人事もゴーンが握っていた。立ち向かうには、検察の力を借りるしかなかった」と吐露。元役員の一人は自省の言葉を口にした。

 「ゴーンという“独裁者”を生んだ責任はわれわれにもある」

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