埼玉発 輝く
野球防具で定評、倒産後に商標引き継ぎ復活 ベルガードファクトリージャパン
--会社としての特徴は
「一言で言えば『オンリーワン』だと思う。われわれは選手のどんなに細かい要求であっても、『何とか形にしたい』という意地で応えてきた自負がある。それが信頼につながり、選手間で口コミで広がって注文が増え続けている。大リーグと異なり、日本のプロ野球はさまざまな事情で選手の名前は出せないが、今年、日本一になったソフトバンクの一部選手も、当社の防具を愛用している。大手メーカーに規模ではかなわないが、技術で負けるつもりはない」
--球界に一定の知名度を有したベルガードの技術やノウハウを求め、他のメーカーから触手はなかったか
「実は、倒産直後に韓国メーカーから出資の話があった。しかし、受けてしまうとベルガードが長年築いてきた製造ノウハウが海外に流出することになる。リスクの大きさを考えて、断った。新会社に『ジャパン』を入れたのも、メード・イン・ジャパンという思いを込めたものだ」
--今後の展開は
「昨年の秋から取り組む製薬会社などとのコラボ商品がある。バランス感覚やパフォーマンスの向上が見込まれるといわれる物質『集積機能性ミネラル結晶体』を含んだ繊維を使ったグローブやウエア、ネックレスなどの販売を、選手だけでなく、一般にも強化していきたい」
◇
【プロフィル】永井和人
ながい・かずと 高校卒業後の1982年、シナガワスポーツ(翌年にベルガードに社名変更)に入社。製造と企画を担う。倒産から4カ月後の2012年6月、ベルガードファクトリージャパンを設立。57歳。東京都出身。