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京セラ、2020年度に売電事業本格参入へ 

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京セラ、2020年度に売電事業本格参入へ 

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 京セラが、住宅で発電した電力を買い取って企業などに販売する「売電事業」に参入する計画を進めていることが25日、分かった。他社と協業して来年度中に仕組みを整え、2020年度に本格参入する。家庭で発電した電気の余剰分を大手電力に高値で買い取ってもらう「固定価格買い取り制度(FIT)」が来年11月以降に順次終了することに伴い、市場を開拓するのが狙い。

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 谷本秀夫社長が産経新聞のインタビューに答え、明らかにした。買い取りの主な対象は、京セラ製の太陽電池パネルや蓄電池を使用している世帯。環境意識の高まりとともに企業価値向上を目指し、電力を再生可能エネルギーに切り替える企業が増加しており、こうした企業をターゲットに電力を販売する。

 谷本社長は「1社ではなく、他社との合弁などを想定している」とし、電力会社や新電力などが協業先になるとみられる。京セラは、太陽光発電関連事業の低迷が続くが、新事業を後押しに20年度の黒字化を目指す。

 京セラは、FIT制度の終了に向けて来年度は蓄電池の販売を拡大する方針。また、蓄電池の余力を通信技術で集約して仮想発電所として使う政府の「バーチャルパワープラント(VPP)」の実証実験にも参加しており、知見を生かす。新規事業では蓄電池が重要な商材となりそうだ。

 同様の事業をめぐってはソーラーフロンティアが来年度中に、住宅で発電した電気を買い取り、親会社の昭和シェル石油の電力部門を通じて販売を行う計画を立てている。

 このほか、京セラの谷本社長は、次世代移動通信「5G」の普及や自動車の電装化進展に伴う半導体関連部品の需要拡大に言及し、「4、5年の間に設備投資額が2千億円(今期計画は1100億円)に達する可能性がある」との見通しを示した。(織田淳嗣)

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