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【ビジネス解読】「土曜休配」も劇的な採算改善は望めず…続く日本郵便の苦悩

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【ビジネス解読】「土曜休配」も劇的な採算改善は望めず…続く日本郵便の苦悩

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 日本郵便は、郵便需要が減る一方で人手不足による人件費上昇が経営に重くのしかかり、現状のままでは、郵便事業の営業損益が2020年度から大幅赤字になると試算している。今回の要望はそれを回避するためのものだという。総務省は、これらの制度を規定する郵便法改正を検討していく方針だ。

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 日本郵便では、法改正が実現すれば、土曜日に出勤する5万5千人の配達員のうち、4万7千人を平日の作業に配置できるという。また、現状8700人の深夜勤務者が発生するなか、配達日数の緩和が実現すれば、うち5600人が日中勤務など別の仕事を担うことができると説明する。

 相次ぐサービス低下

 日本郵便では昨年、採算悪化を食い止めようと、はがきなどの値上げを実施した。加えて今回、土曜休配、配達日数緩和の要望だ。今回の法改正が実施されれば、昨年の値上げに引き続く“サービスの低下”といわざるを得ない。総務省有識者委員会のあるメンバーも「最後の刀を抜いた感じだ」と指摘するほどだ。

 だが、これらの制度改正を行ったとしてもなお、劇的な採算改善は望めないだろう。諫山氏自身、「(人手不足による)賃金単価の上昇が効率化の努力を打ち消してしまう」とも述べており、人件費の上昇が制度改正の効果を飲み込んでしまう可能性もあり、完全に赤字は止まらないという見通しを示している。また、現場では「配達の総数が変わるわけではないので、週明けの月曜に土曜休配のしわ寄せが来るだけ」との冷めた受け止めもある。つまり今回の土曜休配なども“対症療法”にすぎない。

 翻って郵政民営化の最大のメリットは「民営化でサービスが向上する」だったはずだ。相次いで利用者にサービス低下を求める日本郵便の姿は「何のための民営化だったのか」との批判を招きかねず、今後、高コスト体質の改善を迫られることは間違いない。

このニュースのフォト

  • 記者会見する日本郵政の長門正貢社長=10月26日、東京都千代田区
  • 「置き配」の実証実験で専用バッグに荷物を入れる配達員=12月3日、東京都杉並区

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