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平成の企業倒産史、昭和の3倍ペース あの巨大航空やメガ流通も…金融危機でラッシュ

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 「平成」30年間の上場企業の倒産は200件を超え、負債は22兆円に達した。昭和の3倍のペースで毎年発生し、バブル崩壊後に先送りされた不良債権処理、金融危機、リーマン・ショックなど国内外の事態に翻弄された。(東京商工リサーチ特別レポート)

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◆バブル崩壊から雲行き暗転

 1989年1月からの平成30年間の上場企業の倒産は、累計233件(負債合計21兆9087億500万円)だった。バブル真っ只中の1989年、90年は上場企業の倒産はなく、平成初の上場企業倒産は1991年(平成3年)8月に会社更生法を申請したリースマンション分譲のマルコー(負債2777億4000万円、店頭上場)だった。

 ゼロ件でスタートした平成の上場企業倒産だったが、小泉内閣による金融機関の不良債権処理が打ち出された2002-03年は48件発生、第1次ピークを迎えた。そして、リーマン・ショックで世界同時不況に陥った2008-09年は53件が発生、第2次ピークとなった。

 その後、緩やかな景気回復を背景に上場企業の業績は急速に持ち直し、2010年の10件を最後に、2011年から2桁を割り込んだ。なかでも2013年以降は、2014年と2016年のゼロ件を含め6年連続で3件以内で推移している。

 上場企業の年間(1-12月)倒産の最多は、リーマン・ショックがあった2008年(平成20年)の33件。次いで、不良債権処理が進んだ2002年(平成14年)の29件、リーマン・ショック翌年の2009年(平成21年)の20件、イラク戦争開戦の2003年(平成15年)の19件の順だった。

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  • 平成の上場企業倒産の年次推移

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