中小企業

知財活用スチューデントアワード 東京経済大チームに最優秀賞

 大手企業などの開放特許を活用するアイデアを大学生が競う「2018年度 知財活用スチューデントアワード」が昨年12月15日、東京都世田谷区の昭和女子大学コスモスホールで開催された。最優秀賞には富士通の開放特許「スマートクリップ技術」を使った東京経済大学KIHACHIROチームが選ばれた。プレゼンタイトルは「挟持(きょうじ)」で、居酒屋の注文漏れを防ぐアイデアが評価された。

 この日の学生プレゼンには各地の予選を勝ち抜いた10大学12チームが参加。来場した約200人の前で、富士通やホンダ、産業総合技術研究所などの開放特許を活用したアイデアを披露した。最優秀賞のほか、優秀賞には静岡文化芸術大学研究室707が静岡県工業技術研究所の「取替え時が見て分かるカラーインジケーター消臭剤」を活用した「おむつの相棒」と、流通経済大学横井ゼミが富士通の「芳香発散技術」を活用した「フレッチ」が選ばれた。

 主催した西武信用金庫の落合寛司理事長は「世界の一流、超グローバル企業の中には学生時代に起業した経営者はたくさんいる」と指摘。その上で「既成概念を変えるには若い人の発想が重要だ。開放特許を活用するアイデアを発表し、中小企業はそのビジネスモデルを活用してほしい」とあいさつした。

 講評した審査委員の吾妻勝浩トーマツアドバイザリー事業本部シニアマネジャーは「アイデアの目の付け所が良くなった。しかし全体的に足で稼ぎ現場で役立つアイデアが減っている。最優秀賞チームは(学生がアルバイトしたという)現場力で評価された。イベントではなく地域や中小企業がもうけることを忘れないでほしい」と語った。

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