経営
日本企業、合意なき離脱に警戒感 英国のEU離脱案否決、動向次第で企業活動鈍化
「通勤客が想定より伸びていない」。三井物産は、参画する英国の鉄道事業の乗客見通しに影響が出ていることを受け、事業計画を見直しているという。EU離脱への警戒感が、英国内の経済や雇用に波及したためとみられる。NTTの澤田純社長も「欧州全体への投資が鈍るなどの間接的な影響には警戒したい」と語る。
3メガバンクや大手証券といった金融機関は、欧州で事業を継続するためにドイツなどでの現地法人の設立を進め、準備を整えた。関係者は「手は全て打った」と話す。
日本貿易振興機構(ジェトロ)が昨年12月に発表した調査では「英離脱が今後の事業に悪影響を与える」と回答した在英日系企業は前年比12.9ポイント増の59.8%に上っていた。ジェトロ海外調査部の担当者は「在庫の積み増しや欧州戦略見直しを進める企業が増え、ブレグジットを契機に不採算事業から撤退する動きも出てくるのではないか」と指摘している。