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風力発電の導入、伸び悩み 18年、3年前の8割 環境アセスに時間

 風力発電の導入が伸び悩んでいる。日本風力発電協会が16日に発表した2018年の導入量は、前年比18.5%増の19万2000キロワットとなったものの、直近のピークである15年(24万3000キロワット)に比べると約8割にとどまった。建設前の環境アセスメント(環境影響評価)に時間を要することなどが、導入の妨げとなっている。

 18年に導入された風力発電設備は77基で、発電所ベースでは14になる。18年末時点の累計導入量は358万4000キロワット(2287基・438発電所)となったものの、17年末との比較では6%増えたにすぎない。政府は30年度までに1000万キロワットの導入を目指しているが、目標の約3分の1しか達成できていないことになる。

 風力発電協会によると、導入が伸び悩む背景には、12年10月に総出力1万キロワット以上の風力発電所が環境影響評価法の適用対象となり、多くの案件が環境アセスの手続きだけで3~5年を要していることがあるという。また、送電線の不足も一因となっている。

 もともと日本は、欧州などに比べて普及の遅れが目立っていた。陸上風力は発電設備を設置する土地が限られているほか、今後の普及が期待され、各地で実証実験が行われている洋上風力についても、設置コストが高いことなどがネックとなり商用運転がほとんど始まっていないのが現状だ。

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