奈良発 輝く

ATOUN 荷物積み降ろし「パワードウェア」で体力差克服

被災地や農業でも

 既に出荷されたパワードウェアの大半は物流現場で活用されているが、将来的に見込まれるのが他分野への普及。その一つが農業だ。

 収穫の際は中腰での作業を余儀なくされることが多く、さらに農家の高齢化の問題もある。また、昨年は大阪北部地震や西日本豪雨、北海道胆振東部地震など度重なる災害に見舞われただけに、災害の現場でも重宝されそうだ。

 藤本社長は「普段は物流や建設の現場で使ってもらい、有事の際には被災地で使用してもらう。そんな仕組みをつくれないか」と青写真を描く。自治体との関係構築に向け、既に意見交換の場を設けているという。

 ラインアップの拡充にも余念がない。目下、腰以外に腕や脚に装着する新製品も開発中だ。「要素となる技術は既にあるが、安全性やコスト面、耐久性とクリアしなければいけない課題がある。新しい分野なので、もっと高いレベルで考え、着実に進んでいきたい」と今後を見据えた。(藤木祥平)

【会社概要】ATOUN

 ▽本社=奈良市左京6-5-2(0742・71・1878)

 ▽設立=2003年6月

 ▽資本金=4億7200万円

 ▽従業員=25人

 ▽事業内容=「パワードウェア」、アシスト機器の開発と製造、販売

■ □ ■

 □藤本弘道社長

 ■「着るロボット」 SF世界を具現化

 --ロボット開発をしようと思ったのは

 「中学生の頃から、SFと歴史が好きだったことが今に影響していると思う。経営は歴史から学び、テクノロジーはSFから着想を得ている。初めからロボットを開発したいと考えていたのではなく、ベースにあったのはSFの世界を具現化したいという思い。高齢社会の到来を考えたとき、何か人の役に立てるのではと思ったのが創業のきっかけだった」

 --どんな作品に影響を受けたのか

 「一番影響を受けたのは(米テレビドラマの)『スタートレック』で、最も古いシリーズから見ている。現代のスマートフォンのようなもので体をスキャンしたり、当時としては斬新なものが提唱されていた。アイザック・アシモフやアーサー・C・クラークらの古典的SF小説も読みあさっていた。商品には直接影響していないが、『どんなアイデアも否定しない』という姿勢や自由度に影響していると思う」

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