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“新幹線ロボ”の超人気 少子化でも「プラレール」が過去最高の理由

配信元:PRESIDENT Online 更新

全国を「1/1シンカリオン」が走っている

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 「シンカリオン」は、テレビアニメ放送前の時点ですでに3年の展開に耐えていた。前述のように「3年」は子供向けの商材では重要な数字であり、目新しさがなくなった題材をそれ以上展開できるかどうかの分水嶺となる時期だ。

 「そこを超えられたのも、本物の新幹線が登場するという圧倒的な強みだと思います。実物の新幹線を見たことがある子供にとっては、シンカリオンというロボットは架空の存在じゃない。1/1シンカリオンのシンカンセンモードが全国を走っている状態なんです。実際のものをベースにすることでおもちゃの内容などで自由にできなくなるところはありますが、それ以上に得るもののほうが大きいですね」

画像提供=タカラトミー

画像提供=タカラトミー

従来のユーザー層より上の年齢層を獲得

 タカラトミーは2014年前後に大きく業績が悪化していた。立て直しのために掲げられた、当時の前中期経営方針が「定番商品の強化」だ。そのターゲットになったのが、トミカ、リカちゃん、そしてプラレールだった。この戦略などが功を奏し、2019年3月期第2四半期は最高益を更新した。前述の3ブランドの売上高は、過去4年(13~17年度)で1.5倍の水準を達成している。プラレール単体でも17年度は「過去最高水準」だったという。

 「『シンカリオン』によって、従来のプラレールのユーザー層よりも上の年齢層を獲得することができました。トミカもプラレールも、多くのお子さんは3~4歳くらいで卒業してしまう。『シンカリオン』は、その数歳年上の子供たちをつなぎとめることに成功しました。これは2014年以来の方針の結果だと思います」

 「シンカリオン」のテレビアニメは、すでに放送開始から1年を過ぎている。放送期間に関しては未定だが、「新幹線はこれから先も続いていく。『シンカリオン』もこれからもずっと続けていける、息の長いコンテンツにしたいとして考えています」という。これからも「シンカリオン」は各家庭のレールの上を走り続けていくことだろう。

 しげる

 ライター/編集者

 1987年生まれ。模型誌編集者として勤務の後、現在フリー。専門はおもちゃ・プラモデルや映画など。ウェブサイト「ねとらぼ」などに寄稿。

 (ライター/編集者 しげる 画像提供=タカラトミー)

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  • 「DXS01 シンカリオン E5はやぶさ」と「DXS02 シンカリオン E6こまち」(画像提供=タカラトミー)
  • 「DXS01 シンカリオン E5はやぶさ」(画像提供=タカラトミー)
  • 「DXS08 ブラックシンカリオン」ドラグーンモード(画像提供=タカラトミー)
  • 「DXS11 シンカリオン ドクターイエロー」(画像提供=タカラトミー)
  • 画像提供=タカラトミー

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