アパレルの“ゾゾ離れ”続くも…経営揺るがぬ「超高効率モデル」の凄み
配信元:PRESIDENT Online 更新その後、9月、実際にゾゾスーツで採寸したビジネススーツが届いたという人のレビューがインターネットに上がり、大きな「採寸違い」が話題になった。ファッションデザイナーのドン小西氏は、18年12月21日の日経MJ誌面で「生地・縫製は良いが、サイズ感に問題があり、これは洋服ではない」と発言した。また、ネット上などでの、実際に商品を受取ったユーザーからの評価も、特にサイズ面に関し、必ずしも芳しくない。同社開示によると、ゾゾスーツの計測率・PB購買率そのものも、使い勝手の悪さから、計画を下回った。
株価の乱高下はPBゾゾへの期待と失望の表れ
実際のPB事業の進捗は当初計画比大幅に下振れ、PBゾゾに対する期待・評価は急速にしぼみ、いまやほぼゼロとなったと見ている。特に、ビジネスラインの「2万円台でオーダーメイドスーツを」といううたい文句は、現状の株式市場では「無理筋」だったいう評価になっていると考える。
つまり、2018年春から暮れにかけての株価の乱高下は、PBゾゾへの期待の膨らみと失望がそのまま表れたものだということだ。それでもファッションEC市場におけるゾゾタウン自体のポジションなどには大きな変化は無いと見ている。
ゾゾタウンの強みとは何か。それは約20年前からファッションECという市場の可能性を見抜き、いち早く事業モデル開発に着手した先見性、そしてその先行者メリットにほかならない。
実際に試着してみないと自分に似合っているか、サイズが合っているのか分からないと思われていたファッションは、ネット通販には向いていないと考えられていた。だが、ユーザーの利便性が高いシステムと、高効率の物流の仕組みを構築し、サイズ表記、サービスも充実させたサイトを作り上げたことで、ゾゾタウンはいまや年間3,100億円以上を売り上げるまでに成長した。ファッションECを利用する顧客を囲い込み、利便性が高く、利益率も高いその「超高効率モデル」は、ライバルと言える存在がいないほどに積みあがった。
成長率はスローダウンする
ここまで急激な右肩上がりで成長してきた同社だが、今後も同じように成長するかというと、その勢いはスローダウンすると言わざるを得ない。中期経営目標では2021年3月期のゾゾタウン商品取扱高4,850億円を目標にしている。日本全体のファッション市場規模や、20~40代人口でのゾゾタウン普及率などから、今後、中長期的に成長性を持続するためには、これまでとは違う成長戦略・起爆剤がないと難しい。その候補となる戦略がPBゾゾ、ARIGATOサービスだったのだろう。