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【検証エコノミー】電力の小売り全面自由化から3年 切り替えに地域差 逆風の新電力も

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 既に電力の小売りを手がけているエネルギー関連企業の首脳は「今は(顧客を)取られたら取り返すという形になっているが、価格競争が長く続くとは思えない」と話す。「(発電設備や電力網への)投資をしっかりと行い、日本のエネルギーを高度化していく中で(参入企業が)切(せっ)磋(さ)琢(たく)磨(ま)すべきだ」(関電の岩根社長)といった声もある。

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 一方、新電力の中には逆風にさらされる企業も出ている。大手のF-Power(エフパワー)の30年6月期決算は最終損益が120億円の赤字(前期は7億円の黒字)だった。

 新電力の多くは自前の発電設備を持たない。そうした企業が電気を調達するには、大手電力などとの相対契約で購入する▽事業者同士が電気を売り買いする卸電力市場で購入する-などの手段がある。ただ、卸電力市場に調達を依存することにはリスクもある。需給の変化で価格が変動しやすく、価格高騰局面では調達コストが膨らんで業績悪化を招きかねないためだ。

 三菱総合研究所の浅岡裕主任研究員は「資本力が乏しく卸電力市場への依存度が高い新電力は、経営が厳しくなっている」と指摘。その上で、新電力が生き残るための条件として「強固な顧客基盤、電気を安定的に調達する能力、特徴のあるビジネスモデルを生かした大手電力との連携などが鍵になる」としている。

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