静岡発 輝く
タケ・サイト CNF配合、環境にやさしい生コン先行剤
「起業の目的は、生コンクリート工場などから排出される産業廃棄物を使って石灰を生成する技術を実用化することだった。知人の紹介で知り合った静岡大学の和田秀樹名誉教授に『使い道のない技術だけど』と前置きされてリサイクル石灰の生成技術を教わったのだが、素晴らしい技術だったので、何とか生かすことができないかと思った。リサイクル石灰の微粉末を私の名字にちなんで『タケ・サイト』と命名したことが社名の由来だ」
--商品として生コン圧送用先行剤に目を付けたのは
「多くの建築現場に足を運ぶ過程で、作業員が生コンの圧送や産廃の処分に困っている様子を目の当たりにしたからだ。リサイクル石灰はどうしてもきれいな白色にはならないが、先行剤として使うなら色がついていても問題ないので、リサイクル石灰から圧送用先行剤をつくれば現場の負担軽減と産廃の減少につながると考えた」
--今後の展開は
「まずは現行品をさらに改良し、販路を広げてより多くの工事現場で使ってもらえるようにしたい。ただ、産廃からリサイクル石灰を生成する技術を持っているのは当社だけなので、将来的にはこれまでにない新製品を開発して、リサイクル石灰の市場を開拓したい」
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【プロフィル】武田雅成
たけだ・まさなり 東海大工業高(現・東海大静岡翔洋高)中退。静岡市清水区の医療機器メーカーなどに勤務した後、2017年2月に石灰のリサイクル技術を活用するため「タケ・サイト」を立ち上げ、現職。38歳。静岡県出身。
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産業廃棄物をリサイクルして生成した石灰を主原料とする生コンクリート圧送用先行剤「ルブリ」は、同社の売り上げのほとんどを占める主力商品だ。