NTT、AIとドローンでスマート農業 農薬をピンポイント散布
更新またAIはドローンの運行も管理する。画像から稲の生育状況や病害虫の発生を検知し、農薬などの散布に最適な日を助言するほか、NTTグループの技術で複数のドローンを同時に飛行させて、画像の撮影や農薬・肥料の散布を効率化する。電波が高層ビルや山などに妨害されにくい準天頂衛星を使い、現在、5~10メートル程度の誤差がある測位精度を大幅に向上させる。
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農業でのIT導入の背景には、温暖化の影響で作物の生育期間が早まったり、病害虫の発生地域が変わったりと、熟練者でも想定できない事態が生じているという事情がある。ITの活用で、人手不足や気候変動など、生産現場が抱える課題解決への期待が高まる。
クボタは自動運転の田植え機を令和2(2020)年に発売する。既にトラクターやコンバインを実用化。衛星利用測位システム(GPS)で農地に合わせて最適なルートを走行する。富士通もAIで最長3週間先の農作物の生産量を予測するシステムを高知県などと開発している。
政府も農業の衰退を食い止める切り札としてIT導入を財政面で支援する。しかし割高な導入費など、普及に向けたハードルも高い。(高木克聡)
