現場の風

SMBC日興証券 投資の楽しさ、若者にも伝えたい

 □SMBC日興証券ダイレクトチャネル事業部長・丸山真志さん(57)

 --デジタル戦略を強化する狙いは

 「インターネット証券、総合証券ともに顧客が高齢化してきている。投資の楽しさや新たな発見を提供することで、若年層を取り込みたい。新たな仕掛けによって将来に向けた種まきをしている」

 --自社でインターネット媒体「フロッギー」を提供している

 「投資とお金に関するコンテンツを1日1本のペースで掲載している。2月に個別株の取引機能を追加し、読んだ記事に関係する銘柄をそのページから購入できるようにした。約3700銘柄を500円から購入できる。狙いは投資に向かう構えをなくすことだ。2月以降の閲覧件数は月平均108万件と倍増した。口座開設の伸びも順調だ」

 --人工知能(AI)で1カ月後の株式の収益性を予測し、株式の投資判断を支援する新サービスの反響は

 「3月下旬に開始し、初日は3000人のアクセスがあった。従来はインターネット口座だけで年間7万~8万件の新規開設があったが、新サービス導入から最初の1年間で倍増を目指している。株価のトレンドから保有株を売却するタイミングをアドバイスするサービスの導入も計画している。将来は取引可能な金融商品を投資信託や債券、外国株にも広げていきたい」

 --今後、対面営業と非対面営業の関係はどうなっていくのか

 「高齢者でもスマートフォンやパソコンを使う人が増えてきたが、対面営業がなくなることはない。インターネットの閲覧状況などから、顧客のニーズを把握し、対面営業の支援に生かす。一方で、ネットで完結したいというニーズも多い。対面と非対面の融合を進め、両方のコースを行ったり来たりできるようにしたい」

【プロフィル】丸山真志

 まるやま・まさし 関西学院大法卒。1985年4月日興証券(現SMBC日興証券)入社。SMBC日興証券エクイティ部長などを経て2014年9月から現職。兵庫県出身。

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