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東芝進める太陽電池の新技術 ペロブスカイト太陽電池、発電効率高め主電源化を後押し

 国際的な環境保護の機運が高まる中、需要拡大が見込まれる再生可能エネルギー。東芝が研究開発を進めるのが太陽電池の新技術だ。素材や形状の工夫で設置場所の選択肢を広げたり、発電効率を高める技術で新たな需要を取り込む狙い。昨夏に閣議決定された新たなエネルギー基本計画では、太陽光発電が2030年の主力電源の一つに定められており、実用化への期待が高まっている。

 塗布可能、設置場所増やす

 太陽光発電は住宅などの屋根や敷地内などに太陽電池を設置して発電する。太陽光を使うことで発電時に二酸化炭素などの温室効果ガスを排出しないクリーンさが売りだが、主流となっている結晶シリコン太陽電池は「曲げ」に弱い。このためガラスなどで補強の必要があり、その形状や重量などから設置場所に制約があった。また天候に左右される性質のほか、コストが課題で主力電源とするには発電効率の一層の向上が求められている。

 設置場所の拡大を目指して東芝が新エネルギー・産業技術総合開発機構と取り組んでいるのが、「ペロブスカイト太陽電池」と呼ばれる新技術の太陽電池。ペロブスカイトという結晶が太陽光を吸収して発電する仕組みだが、画期的なのはペロブスカイトがインクのように基盤材料に印刷できる点。このためフィルムの上に印刷すればフィルム状の軽くて曲げられる太陽電池ができる。

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