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アリババ アリペイで訪日客需要拡大の好循環を

 □アリババ社長・香山誠さん(61)

 --スマートフォン決済「支付宝(アリペイ)」を利用できる店舗が拡大してきた

 「日本国内でアリペイを利用できる店舗は30万カ所に上る。中国人観光客に日本各地の商店街での体験型の取り組みなどをアリペイのアプリでも紹介して、旅行での体験を楽しんでもらいながら、結果として日本の地域にも訪日客の需要が還元されるといった好循環がつくれたらいいと思っている」

 --2020年の東京五輪に向けた訪日外国人客の需要の伸びをどうみるか

 「昨年の中国からの訪日客数は800万人を超えたが、距離の近さや観光資源の豊富さを考えるとさらに伸びるのではないか。われわれは中国人にとって便利な決済環境などを整備するが、旅行者に“地産地消”のものを体験型で提供するなど店舗側の努力も必要だ。観光客の立場からどうみるか。日本の商店街や地域が変化してくれれば、もっと消費は伸びる」

 --アリペイ利用者のデータを生かしたビジネスは

 「中国人が日本のどこで決済しているかの消費データを把握しており、それをベースにデジタルマーケティングのさまざまな仕掛けを提携先と行っている。例えば、商業施設の半径数百メートル以内にいる購買力のある旅行者に施設の来店キャンペーンの広告などをスマートフォンに送るなどして効果的なマーケティングにつなげている」

 --日本企業の越境EC(電子商取引)も支援する

 「中国の通販サイトの『天猫国際』では日本の化粧品や食品など消費財メーカーに大きな売り上げを上げていただいている。デジタルの力を利用すれば、中国の地方都市でも日本製品が売れる。中国の消費者は良いモノが簡単に手に入り、日本でも工場や地域の活性化に貢献できるなどウィンウィンの関係でやれる」

【プロフィル】香山誠

 こうやま・まこと 1986年、ソフトバンク入社。ソフトバンクヒューマンキャピタル社長、マイスペース社長などを歴任し、2008年から現職。兵庫県出身。

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