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北米・中国での苦戦鮮明 自動車大手7社 6社が最終減益

 自動車大手7社の2019年3月期連結決算が14日、出そろった。多くの会社が主力とする北米と中国で、競争激化や成長の鈍化が鮮明になり、東南アジアで販売を伸ばす三菱自動車を除く6社の最終利益が減益となった。検査不正や品質管理問題によるリコール(回収・無償修理)などの対応費用も利益を押し下げた。20年3月期は日産自動車と三菱自を除く5社が増益を見込むが、米中貿易摩擦など経営環境は厳しい。

 過去最高の販売台数を更新したトヨタ自動車だが、北米は前期比6万1000台減の274万5000台にとどまった。右肩上がりで成長してきたが昨年、28年ぶりに市場が前年割れとなった中国では、マツダの販売が23%減と落ち込んだ。

 品質問題への対応コストも影響。インドで過去最高の販売台数を更新したスズキだが、国内での検査不正によるリコール関連で813億円の特別損失を計上。SUBARU(スバル)も部品の不具合から世界で226万台の大規模リコールを実施し、700億円以上の費用がかかった。

 20年3月期は、こうした一時的な費用がなくなることもあり、増益傾向に戻る見通し。スバルは前期に1478億円まで落ち込んだ最終利益が2000億円台まで回復するとみている。減収増益を見込むホンダの世界販売は、前期比3.1%減の516万台を計画しており、減少すれば8年ぶりとなる。三菱自の益子修会長兼最高経営責任者(CEO)は米中貿易摩擦などを念頭に、「世界の政治・経済情勢は明らかに悪化しており、不透明感が増している」と懸念を示した。

 ■自動車大手7社の2019年3月期連結決算(売上高/営業利益/最終利益)

 トヨタ 30兆2256( 2.9)/2兆4675(2.8)/1兆8828(▲24.5)

 ホンダ 15兆8886( 3.4)/7263(▲12.9)/6103(▲42.4)

 日 産 11兆5742(▲3.2)/3182(▲44.6)/3191(▲57.3)

 スズキ  3兆8714( 3.0)/3243(▲13.3)/1787(▲17.1)

 マツダ  3兆5646( 2.6)/ 830(▲43.3)/ 634(▲43.4)

 スバル  3兆1605(▲2.2)/1955(▲48.5)/1478(▲32.9)

 三菱自  2兆5145(14.7)/1118( 13.9)/1328( 23.5)

 ※単位は億円、カッコ内は前期比増減率%、▲はマイナス

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