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信託協会 人生100年時代、サービス具体化急ぐ

 □信託協会会長・池谷幹男さん(60)

 --信託協会会長に就任した。今回で2度目になる

 「3年前、(日本銀行の)マイナス金利政策がスタートした直後の協会長を経験した。足元でも世の中の動きは早く、変化も大きい。業界の長としての役割をしっかり果たしたい。人生100年時代、資産運用の高度化やフィンテックへの対応など信託業界も大きな変革期だ」

 --人生100年時代の信託の在り方は

 「認知症の問題はもはや避けて通れず、高齢層に対するアドバイスの仕方も変わってくる。自社の話になるが野村ホールディングスや慶応大と(高齢顧客へ対応強化に向けた新組織)日本金融ジェロントロジー協会を設立し担い手の育成を始めた。各信託銀行でも似たような活動を産学連携で進めている。人生100年時代の金融サービスの在り方をできるだけ早く具体化する。これだけ高齢層に金融資産が偏る中で(認知症になると資産が)活用されない恐れがあり、国民経済的にもマイナスだ」

 --フィンテックは信託でどのように活用するのか

 「2通りある。お客さまにとっての利便性が向上する画期的な新しいサービスへのデジタル技術の導入を最初に考えたい。一方で、(企業の株式事務を請け負う)証券代行や、企業年金の制度管理など、信託銀行は大きな『事務の塊』だ。(定型的な業務を自動化して効率化する)RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を中心に生産性を上げるよう努力する。画期的な技術を持つベンチャー企業との出資提携も進んでおり、協会としてもこうした動きを支援する姿勢だ」

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