ビジネス解読

4強を脅かすマイクロソフトの逆襲 5G覇権巡り“クラウドの戦い”激化

 電子商取引(EC)を駆使するアマゾンは、ネット利用の巧みさなどから、これまでクラウドで独走してきた。18年の実績(カナリス調査)でも前年比47%増でシェア約32%とトップを維持した。だが、マイクロソフトは、アマゾンを大きく上回る82%増の伸び率でシェアを約17%に拡大。ここ数年でアマゾンとの差を着実に詰め、「2強」といえる状況に持ち込んでいる。

 市場の伸びを上回る成長率を続けるアマゾンの牙城は簡単には崩れそうにないが、ウィンドウズ環境で数々の情報システムを構築してきた実績やシステム事業での多くの提携パートナーは、アマゾンを脅かすマイクロソフトの強みだ。

 VWと「コネクテッドカー」

 さらに注目したいのは、マイクロソフトが自動運転やコネクテッドカー(つながる車)といった自動車分野への足場を急ピッチで築き始めていることだ。

 独フォルクスワーゲン(VW)のヘルベルト・ディース最高経営責任者は2月末、マイクロソフトのサティア・ナデラCEOとそろって会見し、VWが20年に発売する予定の電気自動車「ID.シリーズ」から、マイクロソフトのクラウド技術でコネクテッドカーサービスを提供すると発表。3月には仏ルノー、日産自動車、三菱自動車の3社連合も、コネクテッドカーのデータ解析にマイクロソフトのクラウド技術の採用を決めた。3社連合はコネクテッドカーの車載システムでグーグルと提携していたが、マイクロソフトは世界販売トップ3のうち2つの自動車グループを自陣に引き込んだ形だ。

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